救急センター(ER)

受診される患者様、ご家族の方へ

 昨今、「救急車複数医療機関受け入れ不能」俗に「救急車たらい回し」と呼ばれる報道を目にします。救急に関わる医療機関がどんどん減っている中で、一部の病院へ患者が集中しています。当院への救急搬送件数も、6年間で2.5倍になっています。

 特に他の医療機関が閉まる夜間、休日は、患者数も多くなってしまいます。病状に応じて順に検査、治療をしていきますが、普段以上にお待たせしてしまうことがあります。全力で診療にあたりますが、説明が遅くなったり、お時間をいただくこともあります。何卒ご理解のほどよろしくお願いします。

 当院は22科を持つ病院ですが、産婦人科、泌尿器科、精神科など、当院にない科もあります。また、当院にある科でも、夜間の対応は困難だったり、ベッドが一杯で入院できない場合もあります。全てが揃った救急病院があればそちらに行っていただくのがいいのですが、札幌市にはそのような病院はほとんどありません。

 何科の病気なのか、どの程度緊急なのか、ということを判断するのが、救急の重要な仕事です。診察をして、治療を始め、検査結果に応じて方針を決めていきます。その中で、当院で対応しきれないことについては、他の病院で治療を継続していただくことになります。ただしそこまでは、救急の責任で対応いたします。二度手間に思われるかもしれません。しかし、受け入れる病院がなければ救急車はどこへも行けず、その場で20件、30件と病院を探し続けることになります。一旦は当院で診察させていただくことが、札幌における最善の医療だと考えています。

 救急は内科なのか、外科なのか、と聞かれることがありますが、救急は「急病」の専門です。ケガでも病気でも、救急の医者が担当します。逆に、急病以外では期待されるようなことができない可能性があります。人手や機械などの関係で、夜間、時間外にできることには限界があります。緊急性が高くないと判断した場合には、日中の専門外来の受診をお勧めします。

医療従事者の方へ

 患者様の診療依頼は、病院代表(011-722-1110)、または地域医療連携室(011-722-1117)にお問い合わせ下さい。救急、または該当科の医師が対応します。

 当院の救急は、札幌及び周辺の230万人を医療圏としているのが実感です。札幌市内の救急車のおよそ1割が当院へと搬送されます。この他に市外からの受け入れもあり、平成23年度実績で9332台/年の受け入れとなっています。歩行来院は11461件/年であり、比率として救急車による来院が非常に多いのが特徴となっています。

 札幌市には、三次救急に対応する医療機関が5つあり、救急隊が「三次選定」した傷病者は、5つのうちどこかが受け入れることでおおむね行き場を失っていない状況です。一方救急には、重症度という軸ではない「最後の砦」が存在します。社会的な問題、どれもそれほど重症ではないが複数科にまたがる場合、病院前では軽症と判断しきれない、休日、時間帯による他病院受け入れ不能、そうした部分に対応してきたのが当院であり、複数医療機関受け入れ不能事例(俗に「救急車たらい回し」と呼ばれる状態)は、札幌においてはほとんどないことが、当院救急の密かな誇りです。

 重症度が高いことも特徴の一つです。面倒な患者ばかりを引き受けているだけではありません。入院率が40%を超え、救命センターの充実度評価の際に使われる「重篤患者」の基準を満たすのは1616件/年です。二次選定された患者のうち、複数科が必要かという判断をされた部分が、当院のカバーする範囲です。救急医としては、何科の疾患であるかを見極めていく点、また重症度を判断していく点が、実力が試されるところです。

 教育機関としての側面もあります。一つは、初期臨床研修医へのもので、2年間で救急を身につけたいという意欲がある人ばかりが当院を研修先に選んでいます。救急以外の科を専攻するとしても、最低限の救急対応を身につけ、例えば地方での全科当直で生かしてもらえるようにすることが使命です。もう一つは、救急科後期研修医のための教育であり、救急科専門医指定施設として、専門医を目指す人への教育を行っています。平成25年度には2名の後期研修医が内定していますが、理想的な数は最低でもスタッフ5名、研修医5名程度と考えます。これらの研修を希望する人、またこれらの教育を担当したい人にとって、うってつけの環境です。随時見学も出来ますので是非お問い合わせください。

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