【整形外科外傷センター】「センター長通信」を更新しました

Vol.19 情動による行動     (2020年8月11日更新)

 

 また、日本の一番長い日がやってこようとしている。

 私は真に悲惨な過去を知らない。

 

 私は日本の高度成長とともに、穏やかに昭和・平成と生きてきた。

 悲惨ではなく、上昇気流に満ちた、そこそこの時代であったと思う。

 

 平成から令和になり、社会は停滞し、むしろ腐敗化してきた。

 

 しかし、災難や悲劇は今も起きている。

 そして、人は、それに抗おうとして、情動を感じている。

 皮肉にも情動は生きがいになる。

 

 願わくば、利己的な欲望による怠惰な行動ではなく、

 情動による行動をしたい。

 

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Vol.18 良い質疑応答     (2020年8月3日更新)

 

 良い質疑応答こそが医師の技量を伸ばします。それゆえに最良の教育手段と考えています。

 ところが、色々なタイプの質問があります。例えば、、、

 ● 今一つの質問 「〇〇はどうしてですか?」

 ● 良い質問 「〇〇の理由は、〇〇ということですか?」

 

 良い質問には、質問者が考えた背景が含まれています。 そして、「指し示す対象」や「理由との因果関係」が明快です。

 良い質疑応答を簡潔明瞭な文章で行うことは、何と発展性のある教育風景でしょうか。 知りはしませんが、

「松下村塾で行われた質疑応答」はおそらくこの様なものだったに相違ありません!

 

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Vol.17 評価を期待しない     (2020年7月27日更新)

 

 私は、とりあえずは「良かれ」と思って、セミナーやミーティングを開催していますが、それに対する反響や評価は様々です。

しかし、反応を見て一喜一憂するのは無駄なことです。

 「自分で好きでやっている」と思えば、どのような評価でも関係がありません。

 反響により自分の趣旨を曲げることは、後悔とmotivation低下につながります。

 私には、そのようなことをする時間はないのです。

 

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Vol.16 Peer Review Meetingをする地域としない地域     (2020年7月20日更新)

 

 医療にはPRM (Peer Review Meeting )という、その治療の良否を他の専門家が考査するという会議があります。

 重傷な四肢外傷ですと専門家が少ないので、その地域の独善的な治療になりがちです。そこでPRMというわけ

ですが、少ない専門家がmeetingのために現地に移動することを考えると、数多くは開催できません。

 ところがCOVID蔓延の影響で、幸か不幸かたくさんのPRMがWebで開催できるようになりました

(考えてみればもともとできたのです)。

 PRMを開催し参加すれば、理解と技量のアップにつながり、それが患者さんに幸福をもたらします。

 しかし、逆は残念です。非開催、非参加は、何ももたらしません。貧富の差は拡大するばかりですが、

参加しない医師はそのことに気がつきません。不幸になるのは顧客である患者さんばかりです。

 

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Vol.15 そろそろ分かっても良い頃だ     (2020年7月13日更新)

 

○月○日、あるWeb Seminarがありました。

 

COVID-19は再度蔓延し、向こう1年間の情報交換は「web」になるでしょう。

これは、「積極的に利用しようとする人」にとってはまたとないチャンスです。

 

セミナーの価値は質疑応答の質で大きく変わります。

しかし、「質疑応答」時間は取っているものの、今の形式では不十分です。

セミナーを開催する側の人間は、そろそろわかっても良い頃です。

 

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Vol.14 医師の学びとは何か?     (2020年7月6日更新)

 

 患者さんを救う知識と技術を会得する「医師の学び」は常に主体的でなければ身にならない。

 学びの方法の一つは「セミナーの受講」だが、セミナーにおける「主体的学び」とは何だろう?

  参加者が抱く「疑問点」に対する質疑応答の繰り返しが「主体的学び」である。

 効果的セミナーとは、①明確で示唆に富んだ講義内容、②復習を可能にする「資料提供」、③質疑応答が継続的に

可能な仕組み、である。しかし、そのようなセミナーは存在しない。

 私は講師の立場として、「資料提供」と「質疑応答の場」を求めることがあるが、賛同は通常得られない。

 私に残された時間は多くない。独自にセミナーを企画し運営するのみである。

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例えば、手部外傷を討論するサロン(構築中)

 

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Vol.13 AIがもたらす人間と社会の未来     (2020年6月29日更新)

 

日本整形外科学会特別講演で、新井紀子先生の「AIがもたらす人間と社会の未来」を拝聴した。

先生は、鉄腕アトム誕生のような「シンギュラリテイ(技術的特異点)」は理論的にやってこない、

AIは意味を解することはできない、と言う。

しかし、AIは将来人間の仕事を奪うとも言う。意味を解する能力が低い人間は将来、職を得ることができないのだ。

さて、医師はどうだろう? 噛み合わない質疑応答を聞いていると危ない気もしてくる。正しい質疑応答は、

相手の意味するところを正しく理解することから始まる。

我々がWorkplaceを通して施行している毎日のdiscussion、常に正しく理解する「良い訓練」になると

あらためて感じた次第である。

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講演中の新井紀子先生

 

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Vol.12 ★日本整形外科学会会長講演★    (2020年6月22日更新)

 

 第93回日本整形外科学会「丸毛会長」の講演「幻の福岡開催計画」を拝聴しました。 数年前から着々と

準備してきた.ことが良くわかります。もし開催されれば、非常に素晴らしいイベントになっていたことでしょう。

 丸毛会長は、「COVID により学会のあり方のパラダイムがシフトしてきている」と述べられていました。

つまりはonline開催の効果です。

 今後は、実際のイベントとonlineの「ハイブリッド開催」が落とし所だろうと推察します。 これは全ての

学会やセミナーに言えることです。是非、来年度からはそうなってほしいと思います。

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Vol.11 ★日本整形外科学会がonlineになった幸運★    (2020年6月15日更新)


  日本整形外科学会がオンラインで始まりました。オンラインになることは主催者としては非常に残念な

ことなのでしょうが、参加者の一意見としては非常に「幸運」なことです。

 なぜなら、今までは4日間の開催で、十数以上の会場での同時開催でしたので、聴講には大きな制限が

あったのですが今回は無制限です。自分が必要なだけ聴講し知識を得ることができるのです。

  これがどれほどの価値があることなのか、会が終了した後にまたコメントを述べたいと思います。

 しかしながら、「プレゼンの質」や「討論の設定」など、まだまだqualityが低いと感じます。残念ながら、

付け焼き刃的開催の雰囲気が漂います。

 好むと好まざるに関わらず、学会のあり方は変化しました。しかし、来年以降はまた元に戻ることでしょう。

開催者が考える開催価値が、「知識の普及」よりも「パフォーマンス」にあるからです。

 これは残念だけれども仕方のないことです。有志が別の企画で教育を変えることに期待します。

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Vol.10 ★ゴッドドクター「徳田虎雄」★    (2020年6月8日更新)


山岡純一郎氏によるゴッドドクター「徳田虎雄」なる書籍がある。

「神になりたかった男徳田虎雄」の加筆版であるが、最初の「シチリア」の件には度肝を抜かれる。

関係する誰もが読む本であり、なぜこの施設が今存在するのかがわかる。

Key wordは出自、差別、憎悪、熱病、興奮、躁病、強欲、、、

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Vol.9 ★外科医とシェフ★    (2020年6月1日更新)


 「外科医」は「シェフ」である。

 「料理人」は修行のために「高級レストラン」に入職し、「シェフ」に師事する。

 目標は「シェフ」の料理を会得するためであり、その中で自分の味を模索する。

 しかし、そこには「シェフ」の味があり、自分の味は披露できない。

 斯くして、自分の味を確立した「料理人」は自分の店を構え「シェフ」となる。

 「外科医」も同じである。

 自分の治療を確立した「外科医」は、最終的には自分の部門を構えるのが「道理」である。

 

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Vol.8 ★マイクロとイリザロフ★    (2020年5月25日更新)


 重症な四肢外傷を治療するために、世の中には色々な医療技術がありますが、マイクロサージャリーという組織「移植術」と、

イリザロフ法という組織「移動術」はその代表的なものです。

 しかし、代表的なこの2つの医療技術の両方とも、高いレベルで駆使する医師はほとんどいません。どちらかに偏ってしまうのが現実です。

 事例によっては、どちらかの方が適当であったり、両方の良いところを組み合わせる融合治療が理想的ですが、そうはなりません。

それは「本当の意味」でもう一方の治療を理解していないからであり、実際に自分で手がけないものは、話を聞いたり、

本を読んでもわからないものです。また専門家は他の専門家を受け入れられないという、強い職人気質がイリザロフとマイクロの融合を妨げています。

 このような状況を少しでも解決するために、数年前から「イリザロフ・マイクロサージャリー研究会」というものを開催してきました。

今回はその番外編であり、各専門家による座談会的なものを計画しました。

 今回登場した専門家は、かなり物分かりの良い(失礼!)面々ですが、それでも誤解している部分が多々あるように感じました。

 結局のところ、事例を通した「peer review meeting」を積み重ねていくしかありません。

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5月24日開催のイリザロフ・マイクロサージャリー研究会

 

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Vol.7 ★AOTrauma Webinar★    (2020年5月18日更新)


 外傷整形外科教育は日本の大学では不十分ですが、幸いにも「AO」という骨折治療の国際的教育研究団体があります。

多くの整形外科医がAOで学んでおり、日本の外傷整形外科教育はAOに支えられてきたと言っても過言ではありません。

 AOは教育コースを開催しており、それを終了すると上級会員となりますが、その継続教育の一つにAOTrauma Webinarがあります(もちろん英語です)。

 日本語での開催はあり得なかったのですが、本年5月からAOTrauma Webinarの日本版が始まりました。それは今回のCOVID-19の影響で、

AO Foundationが各国独自開催のWebinarを奨励し、今回の実現に至ったわけです。

 私も5月22日に「開放骨折の治療」について講演させていただきますが、勿論、今年だけでなく、来年からの永続開催を目論でいます。

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  5月22日開催予定のAOTrauma Webinar

 

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Vol.6 ★COVIDの環境でも勉強★    (2020年5月11日更新)


 先週5月9日土曜日に「北海道整形外科外傷セミナー」を開催しました。COVIDだから「Stay Home」なのでしょうが、

生涯学習が求められる医師は自習に明け暮れることなく、常にセミナーで新しい情報を仕入れていきたいものです。

 この会は、北海道大学整形外科の岩崎教授と相談し、主として同大学の若手医局員を教育する趣旨として計画されたものです。

当初は50名ほどの参加予定でしたが、Webとなったことで、結果的に200名以上の参加がありました。

 札幌徳洲会と札幌東徳洲会の外傷整形外科医に講師を務めてもらい、昼の12時から18時まで15個のレクチャーを行いましたが、

いささか詰めすぎだったかもしれません。

 もう、3月の下旬からwebセミナーを20以上開催しました。たくさんやっていると、いつの日か行き詰まってくるだろうと思います。

近い将来COVIDによる制限が解除された際には、実際のセミナーとwebセミナーのバランスをとる時代がやってくることでしょう。

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     北海道整形外科外傷セミナーのリーフレット

 

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Vol.5 ★難しい役割分担の決断★    (2020年5月7日更新)


「COVID-19」は社会の営みを脅かしています。鎮静化することが今の一番の課題であり、それなしには次の時代は訪れません。

 しかし、医療は「COVID-19治療」だけではありません。その何百倍もの日常診療があり、その中には特定の施設と部門にしか

できないものがあります。

 残念ながら、一つの病院で「COVID-19治療」と「専門治療」は両立しません。「COVID-19治療」を選択すれば、専門治療は困難となり、

部門は評判と信頼を失い、後退を余儀なくされます。

 なぜ、役割分担ができないのかと思います。中国のように新しい病院は建設できませんが、「しかるべき事情」の病院を接収し、

役割を付与し、人的、金銭的資本を投入することはできます。そうすれば、専門部門は専門治療を継続することができるのです。

 しかし、そうはなりませんでした。ドラスチックな決断は日本人には困難です。残念なことだと思います。

 

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Vol.4 ★危機感と民間意識★    (2020年4月27日更新)


 COVID-19により、各業界は大きな経済的打撃を受けています。

 こういった危機的状況において、「民間」と「親方日の丸」とでは意識が大分異なるのだろうと思います。

学校なんかも国公立に比べて民間の学校は焦っています。生き残るためには、工夫の上に工夫が必要です。

 実は病院もそうです。COVIDで忙しいと思っているかもしれませんが、その何十倍、何百倍の日常診療があり、

それが大きな制限を受け、患者的・経営的打撃となっています。

 2000年始めに夕張市は財政破綻しました。最後は国が助けてくれると、地方交付税をあてにして「粉飾決算」を生み続けた結果です。

 安易な助けさえなければ真剣になって対策を考えていたはずです。

 危機感を実感しないトップには、結局は何も変えることができませんし、何も生むことができません。

 理想的な「外傷整形外科治療」を続けるには、工夫ある対策が常に必要であり、「ボーっと」していてはどうにもなりません。

 

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  誰もいない札幌ファクトリー

 

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Vol.3 ★Web Seminarの効用★    (2020年4月24日更新)


 昨今のCOVID蔓延により、本当にたくさんの学会やセミナーが中止となりました。外傷整形外科に関係するところでは、

各種AO courseやseminar、EOTS(救急整形外傷シンポジウム)、日本手外科学会、日本創外固定学会、日本整形外科学会、

骨折治療学会、それこそ何から何まで全てが中止となりました。

 しかし、どのような状況においても、外傷整形外科の医療情報を提供・交換する手段はあります。それはweb systemの使用です。

このsystemを使用すれば、ほとんどの会は何らかの形で開催できます。しかも、実は効用も非常に大きいのです。

 昨今、あまりにも学会、研究会が多くなりすぎました。整理をしないで出席していると学会輪廻に苦しむわけですが、

それが一気になくなってしまいました。今後は本当に必要なものに参加しようという「リセットの機会」が与えられました。
 また、webで開催されることで「時間と金を無駄にしなくて済む」ことにもなります。さっきまで手術をしていても10分後には

シンポジウムに参加できるかもしれません。日々の臨床で行けなかった学会にもwebなら参加可能です。
 本来、学会、研究会の半分はwebで良いのではないかとさえ思います。

 しかしながら、あまり日本では積極的に行われていません。AO foundationがAO webinarの回数を増加させていることとは対照的です。

この状況を好機と捉えないのは非常に残念です。
 今回のCOVID をきっかけに、webでの情報交換にもっとシフトすべきと思います。

 

湘南webmeeting1.png

湘南webmeeting2.png第1回琉球重度四肢外傷.png

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※湘南、札幌外傷研究所企画Web Seminar / meetingの一部です

 

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Vol.2 ★湘南鎌倉と札幌東の連携とは?★    (2020年4月20日更新)

 私(土田芳彦)はセンター長として、昨年2019年4月より「湘南鎌倉総合病院外傷センター」と「札幌東徳洲会病院外傷センター」の

2つの施設を運営しています。この2つの施設がどのように運営されていると思われるでしょうか? 実は単に2カ所で治療をしているということ

ではなく、全ての事例は全く同一の方針で治療されています。

 私は月曜日から水曜日までは「湘南鎌倉総合病院」で勤務し、木曜日から土曜日までは「札幌東徳洲会病院」で勤務していますが、

「治療マニュアル」を策定し、個別患者の治療計画書を事前に提出した上で特定の電子通信アプリ(WorkPlace)で事前討論し、

最終的にWeb カンファを開催しチェックするという具合です。

 医療行為において「質のコントロール」は必須なのですが、「医師個別の問題」として、「あまり手がつけられていない」のが事実です。

真のpeer review(質の評価)など行われていません。一方、よく話題に上る「医療安全」ですが、「医療の質が確保される」と誤解されている

方もいると思いますが、「患者取り違え」「左右の違い」「薬剤投与の相違」などなどの「ごく基盤的な事項」を対象とするにとどまっています。 

より根源的な「医療施術の質」に焦点を当てるべきだと、私は強く思います。どんなに手続きをしっかりしても、医療行為自体が未熟では本末転倒なのです。
 

私は、厳しい質のコントロールを死ぬまで続けていくつもりです!

「湘南鎌倉総合病院外傷センター」と「札幌東徳洲会病院外傷センター」でのより良い治療提供を、死ぬまで続けたいと思います。

 

  Workplaceでのカンファレンス.png            札幌と鎌倉でのWebカンファレンス.png

     Workplaceでのカンファレンス            札幌と鎌倉でのwebカンファレンス

 

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Vol.1 ★センター開設から1年が経過しました★    (2020年4月13日更新)            

 

今回、「センター長通信」をHPに新設することにしました。

私たちの「整形外科外傷センターの活動」を少しだけ知ってほしいとの気持ちからです。

毎週月曜日に更新する予定ですので、よろしくお付き合い下さい。
 ところで、この「整形外科外傷センター」は昨年4月に、ここ札幌東徳洲会病院に開設されたのですが、早1年が経過しました。

開設の経緯は色々であり、一言では語れるものではありません。追い追い記載していきたいと思います。
この1年間、救急隊から、そして近隣あるいは遠方の病院から、患者さんをご紹介いただき、1200例以上の手術をすることができました。

関係諸氏に改めて感謝申し上げます。
 新しい年度を迎え、新しい仲間を迎え、ますます活動を活発化しようとしていた矢先ですが、不幸にも「COVID-19」が蔓延してきています。

いつしか収まり、平常を取り戻すことでしょう。それまで忍の一字です。

 

 ※写真は、新しい医師スタッフです。豊富です。

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