最期について考える機会を

<最終更新:2021年11月30日>

 

人生最期の時は必ず、誰にでも訪れるものです。

どのような最期を迎えたいのか、あなたが望む医療やケアについて、家族や近しい人と話し合い、共有しておくことも大切です。

厚生労働省では、このような取り組みを「人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)」という愛称で呼び、普及・啓発活動を行っています。

最期について考える機会を
診療看護師 桝田 佳枝

 

「全て先生にお任せします」

 

ひと昔前にはこう言って、自分の治療を、大切な家族の治療を医師に全て任せて、痛い、辛い治療に堪え忍び、長い闘病生活を続ける患者さんが多くいらっしゃいました。

 

私たち日本人の言語表現は、周囲やお世話になった方への配慮や遠慮が見られるのは通常のことです。明確な自己表現を控えることを伝統的に求められてきたせいで、それを躊躇する人が少なくないのは自然なことといえます。

しかし、明確な希望や自己表現を伝えられないまま、苦しい闘病生活や、愛する人を亡くしたあとに後悔をする家族が数多くいらっしゃるのも事実です。

 

「分からないからお任せする」「信頼する先生だから悪いようにはしないはずだ」と言う意見もありますが、精一杯生きてきた人生の最期を他人に任せるのは、自分に対する責任回避、責任転嫁になるのではないでしょうか。

 

人それぞれ最期の迎え方は違います。余命宣告され限られた時間を思うままに過ごす方なら上手く希望も伝えられるかもしれません。しかし、突然の病や怪我など、命の危険が迫った状態になると、70%の方が医療やケアなど自分で希望を伝えることが出来なくなると言われています。どのような最期を迎えるにしても、自分らしく、素晴らしい人生だったと家族にも思ってもらえるように、今、元気なときによく話し合っておくことが重要です。正解はありません。何度でも繰り返して希望する最期を家族や近しい方と話し合ってみましょう。何を話し合うのかは、こちらが参考になりますので一度訪れて見てください。

参考サイト

神戸大学 木澤義之編集「これからの治療・ケアに関する話し合い

厚生労働省「『人生会議』してみませんか

 

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