「沈黙の臓器」
肝臓はしばしばこのように表現されます。
肝臓はおなかの中にある1,000~1,500gもある大きな臓器です。肝臓は体に必要なものを作ったり不要なものを分解・処理したりと、人体を維持するうえで重要な役目をたくさん担っています。一方で肝臓は非常に我慢強い臓器で、多少痛んでいてもなかなか症状を出しません。症状が出たときには病気が進行してしまっているということもしばしばあります。だからこそ、肝臓が悲鳴を上げるまえに気にしてあげること、気づいてあげることが大切です。
当外来では、検診などで発見された肝機能異常や脂肪肝から、ウイルス性肝炎、肝臓がんまで、とくに慢性の肝臓病にお悩みの患者さまに対して、診断・治療・経過観察を行っていきます。検診を受診した方の4~5人にひとりに非ウイルス性肝障害が、3~4人にひとりに脂肪肝が見つかります。検診は肝臓の異常に気づいてあげる良い機会になります。ちょっとした異常を放置せずにご相談ください。
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※担当医は急遽変更になることがあります。受診の際はご確認の上、ご来院ください。
※休診や診療制限等のご案内は、最新の診療スケジュールをご確認ください。
- ウイルス性肝炎:B型肝炎、C型肝炎
肝炎ウイルスに対する治療法の最近の進歩はめざましいものがあります。抗ウイルス療法を適切に行っていくことで、肝炎の進行を抑えたり、「肝臓がん」が発生するリスクを下げることができます。 - 脂肪肝
脂肪肝の中には肝炎を引き起こして「肝硬変」・「肝臓がん」に至る重症のもの(「代謝異常関連脂肪性肝炎(MASH)」と言います)もあることから、「代謝異常関連脂肪性肝疾患(MASLD)」とまとめられて注目されているのです。近年は非ウイルス性・非アルコール性の「肝臓がん」が増加しており、たかが「脂肪肝」とはいえないのです。メタボリックシンドローム(いわゆる「メタボ」)と関連が深く、生活習慣の改善と、糖尿病や脂質異常症などを合併する場合にはあわせて治療を行う必要があります。 - 肝臓がん
日本人のがん死因の第5位となっており、ほとんどが先述の慢性肝臓病の方に発生するという特徴があります。ですから慢性の肝臓病を放置しないことが大切なのです。「肝臓がん」の治療は、おのおのの患者さまのもっている肝機能と、がんの状態(大きさ・個数)によって、内科的治療と外科手術治療を上手に使い分けることが大切です。そのためには、「指揮者」になる主治医をもつことが必要です。当院では肝臓専門医が「指揮者」になり、内科的治療から外科手術治療まで、患者さまごとに最適な治療を提供させていただく体制をとっています。
萩原 正弘
主任部長
資格・専門医
日本外科学会認定外科専門医/日本消化器病学会認定消化器病指導医/日本消化器外科学会認定消化器外科専門医・指導医/日本肝臓学会認定肝臓専門医/日本救急医学会認定救急科専門医 その他
日本肝胆膵外科学会評議員/日本腹部救急医学会評議員/日本Acute Care Surgery学会 Acute Care Surgery認定外科医 日本消化器外科学会認定消化器がん外科治療認定医/日本肝胆膵外科学会認定肝胆膵外科高度技能専門医/日本腹部救急医学会認定腹部救急認定医・腹部救急教育医/日本外傷学会認定外傷専門医/日本がん治療認定医機構認定がん治療認定医/日本消化器外科学会認定消化器がん外科治療認定医 |